クラッド調心融着接続機41Sのご紹介

株式会社フジクラより販売されているクラッド調心融着接続機41Sについてご紹介します。

この記事のトピック目次

  1. 41Sの特長
  2. 41Sの主要諸元

1.41Sの特長

41S
図1 41Sの外観

フジクラ製クラッド調心融着接続機41Sは、光ファイバを載せるV型の溝が可動し、光ファイバ外径の位置合わせを自動で行い接続する、外径調心タイプの融着接続機です。光ファイバカッタとの無線通信機能を搭載し、切断本数の管理、切断刃摩耗時のポジション変更を行います。また、作業トレイやドロップケーブルの外被把持接続時の円滑な作業をサポートする搬送クランプを使用することで、作業性の向上が期待できます。

1-1 クラッド調心機構

クラッド調心融着接続機41Sは、調心機構を搭載しています。 光ファイバの外径を内蔵カメラで観察し、可動V 溝により左右のファイバ外径を自動調心で軸合わせを行い 融着接続します。クラッド調心機構によりクラッドの軸ずれが調整されるため低損失、高速接続が可能です。

クラッド調心のしくみ
図2 クラッド調心のしくみ

1-2 シースクランプ接続

クラッド調心融着接続機41Sは、シースクランプ接続にも対応しています。単心光ファイバ接続時はファイバホルダ使用も可能ですが、シースクランプ方式により 口出しした光ファイバを直接41Sにセット把持する接続が可能です。シースクランプ方式は、被覆径250µm~3mmの単心光ファイバやドロップケーブル外被を、ファイバホルダを使うことなく融着接続可能です。多心融着接続機のように、被覆外径に応じて多種類のファイバホルダを準備する必要がありません。

選択可能な接続方式
図3 選択可能な接続方式

1-3 光ファイバカッタとの連携

クラッド調心融着接続機41Sと光ファイバカッタCT50は、無線通信機能を搭載しています。双方向通信により、切断した光ファイバの心数を自動カウントしCT50の使用状況を管理しています。光ファイバ接続前の端面角度検査においてエラーが頻発する場合、切断刃の使用ポジションが摩耗していると判断、41Sは切断刃を自動回転させます。また、41Sはモニタ画面で、各ポジションの切断本数や状態を管理し、切断刃のポジション変更、高さ変更、切断刃の交換時期をお知らせします。以上のサポート機能を活用頂くことで、安心して融着接続作業を継続することができます。

CT-50との連携
図4 CT-50との連携

1-4 加熱器自動スタート機能及び大容量バッテリ

加熱器自動スタート機能
図5 加熱器自動スタート機能

クラッド調心融着接続機41Sは、作業の高速化をサポートする補強スリーブ用加熱器の自動スタート機能を搭載。単心60mm補強スリーブでは、加熱終了まで平均25秒から27秒※1で完成します。また、データセンタなど施工現場の環境に合わせて製作する融着コネクタFuseConnect®組み立てにも対応しています。
作業の継続性では、大容量バッテリを搭載し、約200 接続/加熱サイクル※2を実現。 弊社単心機(12S)比較で接続回数が2倍にアップしました。
※1 ACアダプタを用いて室内環境下で測定した結果です。
  加熱時間は、加熱開始ブザー音から加熱終了ブザー音までと定義されています。
  平均加熱時間は、環境条件、補強スリーブの種類、バッテリパックの状態により変化します。
※2 接続条件
  (1)接続/加熱 時間:2分サイクル (2)省電力設定を使用 (3)未劣化バッテリを使用 (4)室温環境
  上記と異なる条件で接続した場合、バッテリ容量は変化します。

1-5 作業トレイが標準構成

クラッド調心融着接続機41S は、標準構成品としてキャリングケースに収納可能な作業トレイが付属していますので高所、狭所の作業環境に合わせて ご使用頂けます。作業トレイには41Sを固定し、落下防止のベルトを取付け 接続作業に必要な工具や消耗品を仮置きできる拡張可能なスペースがあります。

作業トレイの取扱い
図6 作業トレイの取扱い

1-6 ドロップケーブル用搬送クランプ

ドロップケーブルの外被把持接続作業では、作業トレイに装着可能な搬送クランプを組み合わせて ご使用頂くと 、融着接続後の補強スリーブ中心点への移動や加熱器への搬送が容易になり、作業性が向上します 。

搬送クランプ
図7 搬送クランプ

2.41Sの主な仕様

<新旧諸元比較>機器名
41S
12S
適用光ファイバファイバ種類
SMF(G.652),MMF(G.651),DSF(G.653),NZDSF(G.655),BIF(G.657)
ファイバ外径
125μm
適用被覆単心ファイバ被覆径
0.2mm,0.25mm,0.5mm,0.9mm
(0.2mmはFH-70-200使用時)
ケーブル種類
ドロップケーブル(単心/2心)、細径インドアケーブル
シースクランプ
口出し長:5~16mm
被覆径:最大3000μm
標準性能接続損失
SMF:0.03dB,MMF:0.01dB,DSF:0.05dB,NZDSF:0.05dB,BIF:0.03dB
SMF:0.05dB,MMF:0.02dB,DSF:0.08dB,NZDSF:0.08dB,BIF:0.05dB
接続時間
6~7秒
(SM FASTモード)
15秒
加熱補強時間
25秒(標準接続)
140秒(ドロップ:冷却時間含む)
30秒(標準接続)
140秒(ドロップ:冷却時間含む)
バッテリでの連続使用回数
約200回(標準接続)
約100回(ドロップ)
約100回(4心テープ)
約50回(ドロップ)
液晶モニタ
TFT5インチ/タッチパネル付
4.47インチカラー
無線通信
Bluetooth 4.1 LE
(CT50、RS03、Andoroid/ios 等)
外形寸法(mm)
131
121
奥行
201
162
高さ
79
57
重量
約1.3kg(バッテリ含む)
約0.78kg(バッテリ含む)

※※レンタルのご利用と仕様の確認はこちらから※※
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高見沢 和俊  NTTレンタル・エンジニアリング株式会社 エンジニアリング部長

主にネットワーク系の執筆を担当しています。 光ファイバケーブルや施工技術の開発経験を基にして、ネットワーク構築・保守に使われる各種測定器・工具の効果的な利用方法を紹介するというスタンスで執筆しています。

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