新しくなったS124Mシリーズ

古河電気工業株式会社より新発売された多心融着接続機S124Mシリーズについてご紹介します。

この記事のトピック目次

  1. S124Mシリーズの特長
  2. 間欠テープ心線対応アクセサリ

1.S124Mシリーズの特長


図1 S124M8の外観

多⼼融着接続機S124Mシリーズは,クロージャ内など,通信⼯事の現場で作業スペースの乏しい環境でも操作が可能なように,従来機のS123MVer.2シリーズと同様に全体の⾼さが低く設計されています。
基本的な性能面では、融着接続時間は13秒へ(従来機15秒)、加熱補強時間は14秒へ(従来機35秒)へ高速化が図られており、4心テープ心線の接続の場合、従来機との比較で融着接続・加熱補強の動作時間が46%まで短縮されています。バッテリ(1個)での連続使用回数も170回(従来機70回:M4)と大幅に向上し、AC電源の取れない場所での連続した接続作業も安心です。
また,⼯事⽤融着接続機には、高い耐落下衝撃性能が求められるため、このシリーズでは堅牢性を確保するために従来機同様ショックアブソーバを配し,また表⽰画⾯は強化ガラスによって保護する構造が採られています。


図2 大型タッチパネルとスマホ操作画面

この製品の表⽰画⾯はタッチパネルを採⽤したことで操作性が向上し,かつ画⾯サイズを従来機S123の3.5インチから4.3インチに⼤型化したことによって光ファイバ表⽰サイズを拡⼤し視認性が向上されています。
また、内部の制御システムにはWindowsが採⽤され,上記タッチパネルによる直感的な操作のほか,Wi-Fi通信によるソフトウェアアップデート,スマートフォンからの操作など,お客様の利便性を⾼めるよう改善されています。


図3 着脱式のV溝基板

スリーブ加熱補強のための加熱器にはヒーターの熱を効率よくスリーブに伝えるための機構を搭載し,加熱補強時間の短縮に⼤きな効果が出ています。このプラットフォームで開発されたS124シリーズの最⼤の特⻑は,光ファイバをガイドするV溝基板をお客様にて交換できる構造となったことです。V溝基板は接続する光ファイバを⾼精度に位置決めするための部品であり、この部品にゴミ・汚れが付着すると良好な融着接続特性を得ることができません。S124Mシリーズでは、V溝基板を取り外せるため、V溝基板やその周辺部品の清掃を簡単に行うことができ、お客様によるメンテナンスが一層簡単になっています。

 

 

2.間欠テープ心線対応アクセサリ

今後需要が増加する間欠テープ心線に対応するために,融着接続機のみでなく,周辺アクセサリの対応も進められています。


図4 S218R-Plusの外観

間欠テープ心線は従来のテープ⼼線よりも薄く,これに対応する加熱式被覆除去装置(ホットストリッパ)は、従来よりも⾼精度な⽪剥き機構が必要となります。これに対応するために従来機 S218Rの改良版S218R-Plusがリリースされまました。S218R-Plusは、間欠テープ心線だけではなく、従来のテープ心線の被覆除去にも対応することができます。


図5 間欠テープ心線対応の新型ホルダ

融着接続時にファイバを保持するファイバホルダにも,ホットストリッパと同様、間欠テープ心線に対応したものが必要となります。間欠テープ心線は従来のテープ⼼線と異なり、各単⼼線が独⽴して把持される必要があり,そのための機構を採用した独自設計のファイバホルダS712A-04e(4心用)、S712A-08e(8心用)もリリースされました。

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高見沢 和俊  NTTレンタル・エンジニアリング株式会社 エンジニアリング部長

主にネットワーク系の執筆を担当しています。 光ファイバケーブルや施工技術の開発経験を基にして、ネットワーク構築・保守に使われる各種測定器・工具の効果的な利用方法を紹介するというスタンスで執筆しています。

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